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積立に関する発表

民間金融機関の資金力不足で、国民的なマイホームの夢がかなわないようなことがあってはいけない。 そこで、ファニーメイが助け船を出す。
民間金融機関から住宅ローン債権を買い取るのである。 そうすれば、ファニーメイが払ってくれた代金を元手に、民間金融巨人コンビの大救出作戦こうして二人三脚を続けてきたファニーとフレディが、サブプライム問題のおかげで共倒れの危機に瀕することとなった。
ファニーもフレディも、直接的にサブプライム融資に機関はさらに住宅貸付を増やすことが出来る。 こうしてファニーメイは、住宅ローン市場における民業補完機関として世に出たのであった。
その民営化が実施されたのが一九六八年のことだ。 連邦認可の形を残しながら、経営形態としては一○○%民間出資の株式会社に変身した。
あまりにも大きくて、その上、民間企業といいながら、あまりにも御用金融機関的なファニーメイ。 その存在が、姿を変えた官業による民業圧迫だとささやかれ始めた。
一般金融機関たちの体力が回復してくれば、助け船もやがては邪魔になって来る。 大き過ぎるファニーメイは、次第に一肩身が狭くなる。
これはいけないというわけで、彼女の良きパートナーとなり、また良きライバルともなることに期待をかけて、フレディマックが設立された。 一九七○年のことである。
ファニーメイと同じ連邦認可法人の住宅金融機関だ。 だが、実をいえば、この辺から話が厄介になり始める。

屋台骨役のファニーとフレディは、住宅市場が資金枯渇に陥るような場面こそ、出番である。 二○○七年夏以降のアメリカ住宅市場は、まさにその状態に陥りつつあった。
サブプライム・ショックに怯えて、次第に住宅金融市場そのものに資金が流れて来なくなってしまっていたのである。 葵に懲りて膳を吹くの典型だ。
久々に本領発揮の場面が来たと張り切って、ファニーとフレディが出動した。 住宅ローン債権の証券化商品の買い取り、あるいはそれらに対する保証供与を積極的に展開したのである。
政府も、彼らの与信上限を引き上げてやるという援護射撃を行った。 その結果、二○○七年末には、新規組成住宅ローン債権のなんと七五%をファニーとフレディが保有している格好になった。
ねずみたちがいっせいに退去した船上に、巨人コンビが取り残されたのである。 これでは、もはや助け船ならぬ泥船だ。
この事態の危うさに気づいた投資家たちが、ファニーとフレディの株を叩き売る。 こう関わってはいない。
かりにも連邦認可法人で、住宅ローン市場の屋台骨たることが使命の存在である。 サブプライム・ローンのような超ハイリスク商品に、直接関わっていいはずなれば、問題は両者の資金調達だ。
いずれも債券発行で住宅ローンの買い取り資金を調達している。 だが、泥船の上に取り残されて、株価崩落に見舞われているような金融機関の債券を、一体誰が買うというのか。
二○○八年七月、これは大変というわけで、財務省とFRBが救済に乗り出した。 財務省は巨人コンビへの融資枠を拡大した。

必要に応じて両者の株式も購入すると宣言した。 FRBは両者への公定歩合貸しも約束した。
なりふり構わぬ大救援作戦である。 それもそのはずだ。
なにしろ、ファニーとフレディの住宅ローン債権残高は約五五○兆円というとてつもない額に上っていたのである。 こんな規模の金融機関が資金繰り難に陥っては、たまらない。
これぞまさしく、大き過ぎてつぶせなかったのである。 本質的な問題は、このような事態に至るまで、民業であって民業でないような、官業でないのに官業であるような巨大金融機関の存在を放置してきたことである。
急場しのぎはともかく、とうに役割を終えていたはずのファニーとフレディに、どう安らかにご退場願うかが次の課題である。 ファニーとフレディが抱える矛盾と不合理を、くしくもサブプライム問題が顕在化させたのであった。
こうして、アメリカの金融業界にそびえ立つ巨大金融機関たちが、次々とサブプライム証券化商品の犠牲となっていった。 証券化という名の金融錬金術は、結局、それを駆使し、その恩恵に与ろうとする魔術師たちを破綻へと誘う黒魔術だった。
魔術とはしょせん、そういうものなのだろう。 グローバル・バブルの背景世界的カネ余りの源泉そもそも、サブプライム証券化問題は、なぜ、ここまでみて来たような広がりを示すに至ったのか。

いくら巧みに証券化手法を駆使しても、買い手がいなければ商品は売れない。 本質的な不透明さとリスクが付きまとう債権担保証券に、多くの投資家が手を出したのはなぜか。
それは、要するに世界中がカネ余りに陥っていたからである。 二○○○年代に入って以来、今回の金融破綻に見舞われるまで、地球経済は基本的に低金利・カネ余り状態で推移して来た。
なぜそうなったかについては諸説ある。 中東産油国に蓄積されたオイルマネーがその源泉だという考え方もあれば、世界の中央銀行たちがとって来た低金利政策が基本要因だという主張もある。
中国を始めとする新興経済諸国の外貨準備の高さが主因だともいわれる。 金融のグローバル化そのものが、マネーゲームの中で過剰流動性を生み出すのだという発想もある。
いずれも一理あるだろう。 各種の要因があいまって世界的カネ余りを生んだというのが、少なくとも現象的には妥当な解釈だと考えられる。
ただ、諸要因を影響力の大ききに従って順位づけするとすれば、実は「日本要因」の順位が高いのではないかと考えられる。 長期にわたる日本のゼロ金利政策と量的緩和措置。
そしてそれらの政策が解除された後も続いてきた超低金利状態。 これらが、世界的にも超低金利とカネ余りを長期化させて来た大きな要因ではないかと思うのである。
ジャパンマネー、世界へ日本は世界で最大の債権国だ。 純貯蓄の規模が世界で一番大きい。
そのような国の金利が六年も七年にもわたって実質ゼロの水準に張りついていれば、世界的にも超低金利になるのは当たり前だ。 日本国内で金利を稼げないジャパンマネーが、世界中に出稼ぎに行く。

そのための架け橋の役割を果たしたのが、いわゆる円キャリートレードである。 ただ同然の金利負担で日本で資金を調達し、外貨に換えて運用する。
その流れに乗ってあふれ出るジャパンマネーが、世界的な過剰流動性景気を地球経済にもたらした。 世界的に過剰流動性が充満する中で大きな問題が一つ発生した。
超ローリターンが浸透する世界で、投資家たちは、それでも何とかハイリターンを獲得しなければならなかった。 その中で、彼らは次第にハイリスクに対する感受性を失っていったのである。
ともかく、利回りのいい金融資産をポートフォリオに組み入れたい。 この思いと焦りが、通常なら敬遠されるリスク資産へと人々を誘う。
その一つの大きな焦点となったのが、サブプライム証券化商品にほかならなかった。 その中身が怪しげであることを解っていても、儲けのためにはやむを得ない。

厳しく収益責任を問われる金融機関や投資ファンドであればあるほど、背に腹は代えられない。 危険を承知でサブプライム証券化商品に手を出していくことになる。
超低金利・超カネ余りの世界が生み出したギャンブル行動である。 このような行動は世界的にカネ余りだからこそ発生する。

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